次の文章はどこかが間違っています。その部分を指摘して理由を考えましょう。
【問1】このドラマは事実に基ずいて作られている。
【答】正しくは「基づいて」となります。
【問2】家族や友人とのきづなを断ち切って、他国へ旅立つ。
【答】「きずな」と書くことを本則としています。歴史的仮名遣いは「きづな」です。
【問3】子供たちには等分に三本づつ鉛筆を与えました。
【答】「ずつ」と書くことを本則とします。「一つ」「二つ」の「つ」が重なってできた語とする語源説があります。歴史的仮名遣いは「づつ」です。
【問4】君がドンキホーテとすれば、さしづめ私はサンチョパンサといったところだ。
【答】「さしずめ」と書くのを本則としています。歴史的仮名遣いは「さしづめ」です。
【問5】合図に気づいて、大きくうなづいてくれた。
【答】「うなずく」と書くのを本則としています。歴史的仮名遣いは「うなづく」です。
【問6】力づくででも言うことを聞かせるぞという顔つきだ。
【答】「力ずく」と書くことを本則としています。歴史的仮名遣いは「力づく」です。
第11回全体の(解説)
問2から問6までは、「現代仮名遣い」に、「現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として、それぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし、…(中略)…「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする。」と記述されている語です。
逆に、問1の「基づく」は、この記述には当てはまらないとして例示されている語です。この境界を明確にするのはたいへん難しく、個人差が現れやすいのではないでしょうか。
たとえば、問4の「さしずめ」は漢字で「差し詰め」と書きますが、この漢字表記から、「詰め」を「づめ」ではなく「ずめ」と仮名で書くことを本則とするとは、考えにくいと思うのですが、皆様はいかがでしょうか?