次の語は、鳥の鳴き声を聞きなした語です。その鳴き声の鳥は何でしょう?
【問1】カッコウ
【答】郭公(かっこう)
まさに鳴き声からの名称です。カッコウ目カッコウ科の鳥で、自分では巣を作らず、モズ・ホオジロなどの巣に托卵(たくらん)します。ひなは早く孵化(ふか)し、仮親の卵を巣の外へ放り出す習性があります。閑古鳥(かんこどり)、合法鳥(がっぽうどり)の別名があります。
【問2】行行子(ぎょうぎょうし)
【答】大葦切(おおよしきり)
ヒタキ科ウグイス亜科の鳥で、日本へは夏鳥として渡来して、葦原などで繁殖します。
【問3】一筆啓上仕(つかまつ)り候(そろ)
【答】頬白(ほおじろ)
スズメ目ホオジロ科の鳥です。顔は黒く、目の上と下に白い線があります。「頬白」は、「黄道眉」「画眉鳥」などとも書きます。
【問4】仏法僧(ぶっぽうそう)
【答】木(こ)の葉木菟(ずく)
フクロウ目フクロウ科の鳥で、頭に耳状の羽毛があります。日本では主に夏鳥で、鳴き声が「ぶっぽうそう」と聞こえ、「声の仏法僧」といわれます。また、「姿のブッポウソウ」と呼ばれるのは、くちばしと脚が赤く、林にすみグエーグエーと鳴くブッポウソウ科の鳥のことです。
【問5】月日星(つきひほし)
【答】三光(さんこう)鳥
ヒタキ科の鳥で、尾が長く、頭は濃紫、背は茶、腹は白、目のまわりとくちばしはコバルト色をしています。日本では夏鳥として低山地の薄暗い林にみられます。
【問6】ひっひ、かちかち
【答】鶲(ひたき)
スズメ目ヒタキ科ヒタキ亜科およびツグミ亜科の一部の鳥の総称です。森林にすみ、枝から飛び立って空中で虫を捕り、また枝に戻る習性があります。鳴き声はヒッヒッ、カチカチと聞こえ、火打ち石を打つ音に似ています。
【問7】てっぺんかけたか・ほぞんかけたか
【答】ホトトギス
カッコウ科の鳥で、アジア東部で繁殖し、冬は東南アジアに渡り、日本には初夏に渡来します。「キョキョキョ」と鋭く鳴き、「てっぺんかけたか」「ほぞんかけたか」「特許許可局」などと聞きなします。自分の巣をもたず、ウグイス・ミソサザイなどの巣に托卵する習性があります。古くから春のウグイス、秋の雁(かり)とともに和歌に詠まれ、また冥土に往来する鳥ともいわれます。別名が多く、文目(あやめ)鳥・妹背(いもせ)鳥・黄昏(たそがれ)鳥・偶(たまさか)鳥・卯月(うづき)鳥・早苗鳥・勧農(かんのう)鳥・魂迎(たまむかえ)鳥・死出田長(しでのたおさ)などがあります。また、「ほととぎす」は、「時鳥」「子規」「杜鵑」「不如帰」「郭公」などとも書きます。
【問8】特許許可局
【答】ホトトギス
これも問7同様、ホトトギスの鳴き声を聞きなした語です。解説は問7の答を参照してください。
【問9】慈悲心(じひしん)
【答】じゅういち
カッコウ科の鳥で、頭・背は黒っぽい灰色、腹は赤褐色をしています。日本では夏鳥で、他の鳥の巣に托卵します。
【問10】ちょいと来い
【答】小綬鶏(こじゅけい)
キジ科の鳥で、褐色で黒い斑紋があり、胸は青灰色をしています。中国南部に分布し、日本では大正時代に銃猟の対象として放鳥したものが野性化しました。