次の文章はどこかが間違っています。正しい表現に直してください。
【問1】お一人でもお気軽に御参加できるバス旅行です。
【答】「御参加できる」という表現が不適切です。
もともと謙譲表現の「ご(お)・・・する」を可能の形にしても、相手を敬う表現にはなりません。「御参加になれる」が適切です。
【問2】連日のハードスケジュールのためか、先生はゆっくりとお話になられました。
【答】この例文の場合は、間違いではありませんが「お話になられました」という表現が、行きすぎた敬語と考えられます。
「お話になられる」は、「お話になる」に尊敬の助動詞「れる」のついた形ですが、「お話になる」だけでも敬意は十分でしょう。ここでは「話されました」「お話になりました」などが適当です。
【問3】歓迎会会場は、御来社の際に受付の者にうかがってください。
【答】「うかがう」は、目上の人に何かを聞く際に用いる謙譲語で、例文のような、来訪者の動作として用いると、たいへん失礼になります。
ここでは、「お尋ねになってください」「お尋ねください」とすべきところです。
【問4】申込用紙は担当の者からいただいてください。
【答】「いただく」は、目上の人から何かをもらう際に用いる謙譲語で、例文のような、来訪者の動作として用いると、たいへん失礼になります。
ここでは、「お受け取りになってください」「お受け取りください」とすべきところです。
【問5】御遠慮なさらず、お菓子もいただいてください。
【答】「食べる」意味の「いただく」は謙譲語ですから、例文のように、お客様の動作として用いると失礼な表現となります。
ここでは、「召し上がってください」などが適当です。
【問6】祝電が参っておりますので、御披露いたします。
【答】結婚式の司会者が言いそうな文句です。
例文は、謙譲語の「参る」を使うことで祝電を出した相手に対する敬意を欠いた表現になっています。
ここでは、「祝電を頂戴しております」「祝電をいただいております」などと言うべきでしょう。