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株式会社ニコリ パズル制作会社
とことん遊び尽くす、学び尽くすパズルカンパニー

今年2016年6月、『パズル通信ニコリ』創刊35周年記念事業として、世界最大のクロスワードパズル「メガクロス」が発表されました。横13mの巻物のかたちをした、巨大なクロスワードです。なぜメガクロスを作ろうと思ったのか、『パズル通信ニコリ』の安福良直編集長とコンテンツ営業部部長の荒井奈緒さんに伺いました。2回シリーズでお届けします。

収録語数は6万6666語!

――クロスワードパズル「メガクロス」が誕生しました。世界最大のクロスワードと言ってもいいんですよね?

安福 盤面のサイズは横13m、縦90cm、収録語数は6万6666語。マスの数は24万4971個にのぼります。サイズも収録語数も世界一と自負しています。ジャパンナレッジにも、大変お世話になりました。

株式会社ニコリ

1980年8月、日本初の総合パズル専門誌『パズル通信ニコリ』創刊。“ニコリ”の由来は代表取締役社長の鍜治真起(かじ・まき)氏が雑誌名を考えていたとき、「イギリスのダービーで『ニコリ』という馬が一番人気」という記事が目に止まったからだそう。83年1月株式会社ニコリ設立。「数字は独身に限る(数独)」は同年8月から掲載。現在、年間30点以上のパズル本を刊行するとともに、全国紙、地方紙、週刊誌など150以上の媒体にパズルを提供。また2003年から海外にも進出。これまでに世界22か国の出版社、新聞社などにパズルを提供している。

取材・文/角山祥道 写真/五十嵐美弥

荒井 もともと、2012年に育毛剤「カロヤン」(第一三共ヘルスケア)のキャンペーンとして、6万4000語のクロスワードを手がけたんです。でも世界一の記録は、やはりパズル会社である自分たちが持ちたい、と(笑)。『パズル通信ニコリ』の創刊35周年事業として何か面白いことをしたいと考えていたこともあって、だったら世界一のクロスワードを作ろう、ということになりました。洒落です。

安福 まあ無謀ですよね、普通に考えるなら(笑)。ニコリの企業理念として、「遊び尽くす。学び尽くす。」とうたっているんですが、ここからもわかる通り、「面白いことをやる」という思いつきに対して、誰も止める人がいない(笑)。

荒井 雑誌名の「ニコリ」も、うちの社長(鍜治真起)が、「イギリスのダービーで『ニコリ』という馬が一番人気」という記事を新聞で見つけ、そこからとってしまったんです。

ニコリの出版物。いちばん右が創刊35周年を迎えた『パズル通信ニコリ』。クロスワード、数独はもちろん、間違い探しにすごろく、浮き出しメイロにカックロ、ナンクロ、推理パズル、スリザーリンクなどなど、じつに色とりどりのパズルが楽しめる。作品のほとんどが読者による投稿。

『月刊ニコリスト』は12ページのミニコミ誌。パズルはもちろん、イベント情報やマニアックなパズル話などが掲載されている。

2004年に数独が世界的な大流行

――安福さんも荒井さんも、元・投稿者なんですよね。

安福 ニコリには、世界一のクロスワード企画を「面白い、やろうぜ!」と意気込む、生粋のパズル好きが集まっています。
元々私も、投稿者のひとりでした。大学の就職活動の際に、鍜治社長に就職を直談判しました。社長の最初のひと言は、「やめとけ!」でしたけどね(笑)。荒井さんも「いかこ」の名前で投稿していましたよね。

荒井 中学校の社会の授業で、「社会の仕組みを学ぶ」という時間があって、友人は近所のスーパーや郵便局を訪ねていました。私は、「だったら好きな会社を見たい」とニコリに電話しておしかけたこともあります。ニコリが会員向けに発行しているミニコミ誌も購読し、ファンの集いにも参加していましたから、ずっと身近な存在でしたね。

安福 『パズル通信ニコリ』が創刊されたのは1980年ですが、当時、日本にパズル専門誌はありませんでした。パズル好きは、『ニコリ』を読むしかなかったんです。

荒井 最近では、パズル雑誌が日本に定着したように思います。

世界に広まった「Su Doku」。「一日一数独」の日めくりカレンダー形式になっているものも。

安福 「数独」の存在も大きいですね。この名前は、最初「数字は独身に限る」と鍜治が付け、その後、通称の「数独」が正式名称になりました。元々、「ナンバープレイス」というアメリカで誕生したパズルですが、それを鍜治が発掘し、『ニコリ』で取り上げ始めました。

荒井 『ニコリ』の数独にはまったニュージーランド人の弁護士が、数独をイギリスの新聞、タイムズに売り込んだんです。タイムズが2004年から「Su Doku」の名で連載したところ、部数が伸びた。それで世界各地に広がり、今では「Su Doku」は世界共通語となり、世界選手権も開かれるようになりました。日本では世界でのブームが逆輸入され、2006年以降、人気に火がつきました。

安福 クロスワードは、数独と並んで、ニコリの2大エース。今回の「メガクロス」をきっかけに、クロスワードの面白さを再認識していただけたら嬉しいですね。

(次回につづく)

いざ、数独に挑戦!

あいているマスに1~9の数字のどれかを入れて、タテ列、ヨコ列、そして太線で囲まれた3×3のブロックすべてに、数字が重複しないようにするパズル。ぜひトライしてみよう!
答えは次回掲載します。

2016-08-29

INFORMATION

メガクロス

「メガクロス 巻物版」(ニコリ)

定価:250,000円(税抜)

(書籍版は35,000円(税抜)、2016年10月発売予定)

『パズル通信ニコリ』の35周年記念に、3年の歳月を費やして作られた世界最大(2016年6月現在、ニコリ調べ)のクロスワードパズル。タテ129マス、ヨコ1899マスの横長の盤面を印刷、サイズは横13m、縦90cmの巻物状。政治・経済、スポーツ、芸能、古語、サブカルチャーまで収録語は6万6666語! 屋久杉をデザインした箱に入れられ、タテ用のヒント、ヨコ用のヒント、答えの3冊の本がついてくる。


入手方法などくわしくは、ニコリウェブサイト内のメガクロス特設ページ(https://www.nikoli.co.jp/megacross/)をご覧ください。

飯野勝則さん 佛教大学図書館専門員
日本のウェブスケールディスカバリーのパイオニア

丸島和洋さん 歴史学者
大河ドラマ『真田丸』の若き時代考証者

ニコリ パズル制作会社
とことん遊び尽くす、学び尽くすパズルカンパニー

米澤 誠さん 東北大学附属図書館員
学習支援のトップランナー

石川芳立さん 新潮社 校閲部
“校閲は著者のためにある”を体現する校閲者

東雅夫さん アンソロジスト
幻想文学の傑作を届ける水先案内人

ショウワノート 文具メーカー
学習帳業界のトップランナー

大橋崇行さん 東海学園大学准教授、作家
司書の世界(お仕事)を小説で伝える

喜多あおいさん リサーチャー
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