日本歴史地名大系ジャーナル 知識の泉へ
日本全国のおもしろ地名、話題の地名、ニュースに取り上げられた地名などをご紹介。
地名の由来、歴史、風土に至るまで、JK版「日本歴史地名大系」を駆使して解説します。
さらに、その地名の場所をGoogleマップを使って探索してみましょう。

第2回 地名に見える「オトメ」と「ウバ」

2007年03月23日

「オトメ(乙女)」や「ウバ(姥、祖母、乳母)」のつく地名は広く全国に分布しています。これらの地名にはたいてい美しい娘や、老婆、乳母にまつわる地名伝説が残っています。とくにオトメと聞くとなにやらロマンチックな想像をしがちですが、実は「乙女」のつく地名はそんなロマンチックなものではありません。それらは、かつては領主の御用地で、一般の立ち入りが禁止された場所、いわゆる「御留場(オトメバ)」であった可能性が高い場所なのです。静岡・神奈川県境にある乙女峠は「御留峠」とも記し、相模小田原藩が番所を設けて、農民らの通行を禁止していました。

一方、「ウバ」のつく地名は、崖地や岩地に多いといわれています。なかには「姥懐(ウバフトコロ)」「姥ヶ懐(ウバガフトコロ)」という、暖かく居心地がよさそうな地名もあります。この地名も全国に点在し、日当たりがよく、風の当たらない山ふところの地名に多いようです。愛知県瀬戸市の祖母懐(ソボカイ)は、もとはウバガフトコロといいましたが、のちに音読されるようになりました。この地の良質な陶土でつくった茶入れは「ソボカイ」とよばれて珍重されました。

本文本文本文本文
静岡県:
乙女峠
奈良県:
乙女山古墳
愛知県:
祖母懐
長野県:
姥ヶ懐新田

箱根外輪山の鞍部を越える乙女峠

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