日本歴史地名大系ジャーナル 知識の泉へ
日本全国のおもしろ地名、話題の地名、ニュースに取り上げられた地名などをご紹介。
地名の由来、歴史、風土に至るまで、JK版「日本歴史地名大系」を駆使して解説します。
さらに、その地名の場所をGoogleマップを使って探索してみましょう。

第33回 難読地名~鉱物編(3)

2009年11月13日

今回は金・銀・銅の漢字を使った地名です。さっそく始めましょう。

(問題文をクリックすると答えがご覧いただけます)

第1問
まずは「金」の字を使った地名です。
鳥取県日野ひの町の「金持」は何と読むでしょう?
〈金持〉地区は、日野川の支流板井原いたいばら川流域の谷間にあります。
ヒント! 「カネモチ」だったらいいですね。でもチョッと違います。古くは「加持」とも記しました。

第2問
山口県周南しゅうなん市の「金峰」は何と読みますか?
〈金峰〉地区は、にしき川、および錦川支流金峰川の流域にあります。集落の西北方には金峰山がそびえ、地内には金峰神社も鎮座しています。
ヒント! 「金峰」は全国に広く分布する地名。修験や鉱山(金山)に関係が深く、読みは「キンプ」あるいは「キンポウ」が一般的です。各地の「金峰」山の多くは、霊峰として崇められていますが、霊峰を「×××」とよぶ例も数多くみられます。

第3問
兵庫県豊岡とよおか竹野町たけのちょうの「阿金谷」は何と読みますか?
〈阿金谷〉地区は日本海に注ぐ竹野川の流域に位置します。地区東方の鋳物師戻いもじもどし峠を越えると、城崎きのさき温泉で有名な豊岡市城崎町地区に至ります。
ヒント! 「阿」の読みは〈ア〉です。「金」は〈かね〉か〈キン〉か〈コン〉のいずれか、谷は〈たに〉か〈だに〉か〈ヤ〉のいずれか。3×3=9で、9分の1の確率です。

第4問
次からは「銀」の漢字を使用する地名です。
宮崎県西都さいと市の「銀鏡」は何と読みますか?
〈銀鏡〉地区は一ツ瀬ひとつせ川の支流銀鏡川の流域に位置します。古くから米良山めらやまとよばれた山間地域の南東部にあたります。
ヒント! 俗に金をキイロ、銅はアカといいますが、銀は何といいますか。でも「鏡」の字の読みも難解ですよ。

第5問
広島県広島市なか区の「銀山町」は何と読みますか?
〈銀山町〉地区は広島市の母なる川、太田おおた川の分流、京橋きょうばし川の西岸に位置します。江戸時代には広島城下の東部にあたり、山陽道(西国街道)沿いに開けた町でした。
ヒント! わかってみれば納得です。

第6問
最後は銅の漢字が付く地名(街道名)です。
江戸時代に野州足尾あしお銅山(現栃木県日光にっこう市足尾町)と上州の川河岸とを結んでいた「銅山街道」は何と読みますか?
〈銅山街道〉は、足尾の産銅を運ぶために江戸幕府が開いた道。現在は栃木県日光市と東京都豊島としま区を結ぶ国道122号の一部にあたります。かつての「銅山街道」に相当する区間は、今でも「銅山街道」の通称でよばれています。
ヒント! この問題も、わかってみれば納得です。

 

現在の国道122号は、江戸時代には足尾の産銅を運ぶための産業道路であった

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