JapanKnowledgePresents ニッポン書物遺産

ジャパンナレッジに収録された、数々の名事典、辞書、叢書……。それぞれにいまに息づく歴史があり、さまざまな物語がある。世界に誇るあの本を、もっと近くに感じてほしいから、作り手たちのことばをおくります。

紙からデジタルへ。日本の"今"を鋭くとらえる国語辞典

大辞泉

1995年に、3冊目の本格的中型国語辞典として誕生した、『大辞泉』。今や、iPhoneの人気アプリとしても認知されるなど、新しいデジタル辞書として、評価を高めている。
『デジタル大辞泉』の大きな特長は、年3回という、他の辞書の追随を許さない「更新スピード」にある。
このインターネット時代、情報の伝達スピードはあがった。だが一方で、情報自体の信頼性に不安が残った。『デジタル大辞泉』はいわば、スピード+辞書の信頼性、という独自のスタイルで、国語辞典でありながら"今"にリンクしているのだ。
『デジタル大辞泉』のスタイルとは? 編集長、板倉俊さんに3回に分けてお聞きする。

2010年04月28日(水)更新
構成・文/角山祥道  写真/峯岸雅昭




書物データ

『大辞泉』(小学館)は1995年に刊行、98年には増補・新装版が発売。現代日本語をはじめ、古語、専門用語、地名・人名などの固有名詞、故事・慣用句など22万余りの項目を収録。6000点ものカラー図版を掲載、また現代における意味、用法を最初に取りあげ、順次過去にさかのぼって意味を解説しているという独自のスタイルで、辞書に不慣れな若い世代にも親しみやすいものとなった。
現在は『デジタル大辞泉』として、ジャパンナレッジやiPhoneなどにコンテンツを提供。ジャパンナレッジでは4、8、12月の年3回の定期更新を行い、カタカナ語やIT関連用語だけでなく、ニュースになった話題の言葉も大幅に追加し、時代に沿った内容となっている。まさに今に息づく国語辞典である。

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