JapanKnowledgePresents ニッポン書物遺産

ジャパンナレッジに収録された、数々の名事典、辞書、叢書……。それぞれにいまに息づく歴史があり、さまざまな物語がある。世界に誇るあの本を、もっと近くに感じてほしいから、作り手たちのことばをおくります。

百科の精神が息づく、フランスの知の泉

文庫クセジュ

もとをたどれば、1751年の『百科全書』に端を発し、第二次大戦下の1941年にフランスで発行が始まった『クセジュ』。日本では戦後間もない1951年に紹介された。手に取りやすい新書版というカタチで、私たちの手元に届けられたフランスの多様な“知”。哲学から自然科学、芸術やスポーツにいたるまで、カバーする範囲の広さは、まさに「百科全書」だ。
そして2012年3月22日、ジャパンナレッジでも、「文庫クセジュ ベストセレクション」として公開スタート。これを記念して、クセジュをよく知る編集者たちに、クセジュの楽しみ方や魅力を語っていただいた。4回に分けてお送りする。

2012年04月12日(木)更新
構成・文/角山祥道 写真/五十嵐美弥



書物データ

『コレクション・クセジュ』は1941年よりフランスのPUF(Presses universitaires de France:フランス大学出版局)が発刊。1751年の『百科全書』の精神を受け継ぎ、“1テーマにつきポケット版1冊”という画期的なスタイルで、古典的教養から最先端のテーマまで多岐にわたる知識を一般大衆向けに提供している。フランスでは2012年3月現在約3800タイトルが発表されており、43か国語に翻訳されている。
日本語版は1951(昭和26)年、白水社より『文庫クセジュ』として発行。現在まで900点以上が刊行され、2015年には1000点を超える予定。
さて「クセジュ(=Que Sais-Je?)」とは、「わたしは何を知っているか?(=何も知らないではないか)」と自分に問いかける言葉。ルネサンスの思想家モンテーニュが「知識の武器」として、座右の銘にした言葉としても知られる。

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