ジャパンナレッジに収録された、数々の名事典、辞書、叢書……。それぞれにいまに息づく歴史があり、さまざまな物語がある。世界に誇るあの本を、もっと近くに感じてほしいから、作り手たちのことばをおくります。
万葉集、古今和歌集、源氏物語、平家物語……。綿々と読み継がれてきた「古典」は、日本が世界に誇りうる"文化"といって間違いないだろう。
1970年に刊行が開始された『日本古典文学全集』全51巻(小学館)。そしてその跡を継いで1994年から刊行が始まった『新編 日本古典文学全集』全88巻。古典原文、その現代語訳、注釈がすべてそろい、専門家でなくとも古典を手軽に味わえる画期的なシリーズだ。
では、この「日本古典文学全集」はいかにして生まれたのか。
かつての編集長、佐山辰夫さんと、現在の編集長、土肥元子さんに古典の魅力をあわせてうかがった。4回に分けてお送りする。
質の高さと親しみやすさを兼ねそなえて、次世代へと守り伝えたい"価値ある知的財産"といわれる『新編 日本古典文学全集』。
前身は1970年~76年にかけて発売された『日本古典文学全集』(全51巻)。原文には最良の底本を選び、校注・訳者には最高の執筆陣を配した。また研究者だけでなく、一般読者にも広く古典に親しんでもらえるように、ページを三段組にし、原文・注・現代語訳の三要素を一目で見せるという画期的なスタイルを採用した。
『新編』は94年から2002年に刊行。全88巻からなり、前身の51巻に、日本人として読んでおきたい作品を厳選しさらに加えた。なめらかな現代語訳が原文に込められた当時のニュアンスを鮮明によみがえらせる。古典の代表作をすべて網羅した、いちばん新しく、いちばん読みやすい全集である。
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(2024年5月時点)