ジャパンナレッジに収録された、数々の名事典、辞書、叢書……。それぞれにいまに息づく歴史があり、さまざまな物語がある。世界に誇るあの本を、もっと近くに感じてほしいから、作り手たちのことばをおくります。
2011年5月27日、ジャパンナレッジのOneLookコンテンツに加わった「江戸名所図会」。
この「江戸名所図会」は、親子三代、50年近い歳月をかけて完成させた、江戸の絵入り地誌である。江戸および近郊の歴史、風俗、地誌が、文章だけでなく、ビジュアルでも存分に楽しめるという江戸時代のすぐれたガイドブックなのだ。
ではこの「江戸名所図会」、どういう経緯で誕生したの? 当時の江戸って? 江戸人と現代人の楽しみ方の違いは?
『江戸名所図会 CD-ROM版』(ゆまに書房)の監修者でもある鈴木章生目白大学教授と、"お江戸ル"こと江戸文化歴史検定1級保持者の女優・堀口茉純さんが、「江戸名所図会」を肴に、ディープなお江戸談義を繰り広げる、夏休み特別企画全5回。
江戸時代を代表する地誌で、江戸名所の集大成と評されている、まさに江戸後期の"ガイドブック"。斎藤幸雄・幸孝・幸成(月岑)の親子三代が手がけた大事業で、天保5(1834)年と天保7(1836)年の二度に分け、7巻20冊が刊行された。収録された項目は1000を数え、収録地は江戸はもちろん、現在の神奈川、千葉、埼玉の名所も含まれている。発売されるやいなや、ブームを巻き起こした。
絵師長谷川雪旦の742点のいきいきとした挿画は魅力の一つ。神社仏閣や景勝地などの実地調査に基づいた俯瞰図や、生活風俗に関係する事柄の詳細で写実的な描写が楽しめる。見て楽しむだけでなく、歴史や風俗資料としても活用されている。
ジャパンナレッジは約1900冊以上(総額850万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題のインターネット辞書・事典サイト。
日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。
(2024年5月時点)