草木編の第2回。今回は木=キヘンの漢字を使った難読地名を取り上げます。
(問題文をクリックすると答えがご覧いただけます)
⇒ナワシロと読みます。表記を苗代から楠城に改めた理由は不明ですが、JK版「日本歴史地名大系」には「古城・上城などの地名が残り、集落の北方、北城戸には城の遺構が認められる」と記されており、あるいは地内の城跡と何かしら関係があるのかもしれません。
⇒オオガと読みます。地内の古城山には、美濃国土岐家最後の守護であった土岐頼芸の居城、大桑城跡があります。この城は天文年間(1532~55)、斎藤道三によって攻略されたといいます(JK版「日本歴史地名大系」)。なお、静岡県富士市にある「桑崎」は「かざき」と読みます。
⇒シュウガイと読みます。素直に「しいや」と読む地名も多くあり、新潟県柏崎市の椎谷は、椎谷藩(しいやはん)堀氏の陣屋が置かれていたことで著名です。
⇒カタラガイと読みます。はっきりいって、ヒントには無理がありました。「日国オンライン」によりますと、出雲・石見地方で「かたら」は「のいばら」(野茨)、「さるとりいばら」(闖揶・jの古名といいます。かつて枦谷には野茨や闖揶・ェ群生していたのかもしれません。ただし、なぜ「櫨(枦)」の字を充てて「かたら」と読んだかは不明です。
⇒フシハラと読みます。ヒントがやさしすぎましたか? 椹は一般には「さわら」と読み、静岡県の大井川上流の椹島は、南アルプスの登山基地として有名。JK版「日本歴史地名大系」で「椹」の字の見出し検索を掛けると9件がヒット。山形県山形市にある六椹八幡宮は「むつくぬぎはちまんぐう」、同じく山形市の上・下の椹沢は「くぬぎざわ」と読みます。ただし、山口県山口市街の東南方を流れ、やがて山口湾に注ぐ椹野川の読みは「ふしのがわ」、「椹」の字を「ふし」と読むのは椹原だけではありません。
⇒タマノキと読みます。「日国オンライン」によりますと、羽後地方では、ハルニレを「たものき」、秋田県鹿角郡ではアキニレを「たものき」といいます。また「たまのき」は静岡県ではシイ(椎)、中部から中国地方ではタブノキ(椨)、紀伊半島ではシロダモ、茨城県ではハルニレを表わす方言といいます。あるいは、大崎地方でもかつて「たまのき」はニレ科の植物を指す言葉だったのでしょうか。
「宮城県大崎市古川楡木」
皆さん、いくつできましたか?