日本歴史地名大系ジャーナル 知識の泉へ
日本全国のおもしろ地名、話題の地名、ニュースに取り上げられた地名などをご紹介。
地名の由来、歴史、風土に至るまで、JK版「日本歴史地名大系」を駆使して解説します。
さらに、その地名の場所をGoogleマップを使って探索してみましょう。

第32回 難読地名~鉱物編(2)

2009年10月16日

鉱物編の第2回は石と岩の漢字を使った地名から出題。さっそく問題に入ります。

(問題文をクリックすると答えがご覧いただけます)

第1問
はじめは「石」の字を使った地名から。岐阜県郡上ぐじょう白鳥町しろとりちょう地区にある「石徹白」は何と読みますか?
〈石徹白〉地区は、九頭竜くずりゅう川源流の一つ、石徹白川の流域に位置します。江戸時代には、越前国大野おおの郡に属し、上・中・下の石徹白3か村からなっていました。この旧石徹白3か村の一部は、現在の福井県大野市にもかかります。
ヒント!  岐阜県側には国指定の天然記念物〈石徹白の大杉〉、福井県側には石徹白川を堰き止めた〈石徹白ダム〉などもあります。うろ覚えで「イシトロ」と読み間違える人も多いようです。

第2問
佐賀県吉野ヶ里よしのがり町にある「石動」は何と読みますか?
〈石動〉地区は、田手たで川の流域に開け、江戸時代には「上石動村」「下石動村」「西石動村」の3村で構成されていました。
ヒント! 「石動」と記す地名は全国に分布しています。一般には富山県小矢部おやべ市の石動町いするぎまち今石動町いまいするぎまちが、北陸本線の石動いするぎ駅などが置かれていて著名です。ただし、小矢部市「石動」の地名由来となった富山・石川県境にそびえる山、「石動山」のよみは「セキドウサン」。山名の場合はセキドウの読みも多いようです。吉野ヶ里町「石動」のヒントは「大山鳴動」とでもしておきましょう。

第3問
愛媛県宇和島うわじま市にある「石応」は何と読みますか?
〈石応〉地区は、宇和島湾に浮かぶ島を望む海沿いにあります。
ヒント! 古く「国王」とも記し、「コクオウ」と発音していたようですが(JK版「日本歴史地名大系」)、現在の読みは異なります。

第4問
次からは「岩」の字を使った地名です。三重県明和めいわ町の「岩内」は何と読みますか?
〈岩内〉地区は古代から中世にかけて、斎宮さいくうが所在していたことで知られる明和町の南西部に位置します。斎宮の跡地である斎宮遺跡からみても南西方にあたり、伊勢斎宮が潔斎したとされるはらい川の上流域を占めます。
ヒント! 「岩内」と記して、一般には「イワウチ」、北海道なら「イワナイ」と発音する地名が多いようです。でも、明和町「岩内」の初めの音は「ヤ行」です。

第5問
愛知県半田はんだ市の「成岩」は何と読みますか?
〈成岩〉地区は、知多ちた半島の付け根にあたる半田市の南東部に位置します。現在は〈成岩〉本町ほんまち、〈成岩〉東町ひがしまちの町名を残しますが、かつては周辺一帯を含めて成岩といいました。地区内には名鉄河和こうわ線の成岩駅(栄町)や、JR東海武豊たけとよ線の東成岩駅(旭町3丁目)があります。
ヒント! 普通に読めば「ナリイワ」でしょうか。では、早口で「ナリイワ」「ナリイワ」と10回続けていってみましょう。

第6問
第5問と同じ半田市にある「岩滑」は何と読みますか?
〈岩滑〉地区は前問の成岩地区の北方に位置します。矢勝やかち川の右岸を占め、〈岩滑〉中町なかまち・〈岩滑〉東町ひがしまち・〈岩滑〉西町にしまち・〈岩滑〉北浜町きたはまちょう・〈岩滑〉南浜町みなみはまちょう・〈岩滑〉高山町たかやまちょうの6町からなります。
ヒント! 静岡県掛川かけがわ市にある岩滑は、「イワナメ」といいます。半田市の「岩滑」のうち、「岩」の読みは掛川市の「イワ」とは大違い、でも「滑」の読みは掛川市の「ナメ」と少し似ている、といえるでしょうか。

第7問
では最後に「石」「岩」両方の字を使った地名を出題。新潟県村上むらかみ市にある、そのものずばり「岩石」は何と読みますか?
〈岩石〉地区は村上市の北部、小俣おまた川の流域山間部にあり、山形県との県境にあたります。
ヒント! 新潟県といえば雪国。雪国での歩行に欠かせないものといえば「輪××××」(この西洋版がスノー・シュー)。「岩石」の発音は、この雪上歩行用具の発音とかなり似ています。

 

半田市の中心街を挟んで北に岩滑地区、南に成岩地区がある

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