日本歴史地名大系ジャーナル 知識の泉へ
日本全国のおもしろ地名、話題の地名、ニュースに取り上げられた地名などをご紹介。
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第35回 難読地名~水と油編

2010年01月08日

鉱物編は前回で終了です。水も無機物ですが、液体なので鉱物には入りません。そこで今回は、鉱物編から漏れた「水」の字を使った地名と、水といえば油で、「油」の字を使った地名をあわせて取り上げました。では、さっそく始めましょう。

(問題文をクリックすると答えがご覧いただけます)

第1問
水の字を使った難読地名といえば、水流=ツル(水流のある低地)、寒水=ソウズ(泉、湧き水に関連する地名)、水内=ミノチ(小さい谷や盆地の低湿地)などがすぐに思い浮かびます。しかし、これらの地名は数が多いので、今回は取り上げませんでした。
大分県佐伯さいき市の「米水津」は何と読むでしょう?
〈米水津〉地区は、佐伯市街の北東方に位置します。集落は太平洋に面する米水津湾を取り囲むように発達。
ヒント! 平成17年に佐伯市に合併されるまで、米水津地区は「米水津村」という一つの自治体でした。ですから一般的な日本語入力ソフトでは、正しい読み入力すると、一発で「米水津」に変換されます。でも、その読み方が問題なのですから、これではヒントになりませんね。「ウ」「ノ」「ヅ」「ヨ」の4音からなります。順列組み合わせでは24通り。

第2問
熊本県菊池きくち豊間とよまの「土豊水」は何と読みますか?
〈土豊水〉地区は、菊池市街の北東方にあたる豊間の南部を占めます。菊池川の支流迫間はざま川に注ぐ土豊水川の流域です。
ヒント! 読み方を漢字表記「土豊水」の1字1字に振りあてるのは難しそうです。しいていえば「土」をト、「豊」をホウ、「水」をミズと読んでトホウミズ、これにヒネリを加えた感じでしょうか。

第3問
石川県輪島わじま市の「水守町」は何と読みますか?
〈水守町〉は輪島市街の南西方にあり、鳳至ふげし川の西岸に発達した段丘と、その後背山地に開けます。
ヒント! 水守を普通に読めばミズモリ、またはミモリでしょうか。水守と表記してミズモリと読むのは静岡県藤枝市、ミモリと読むのは茨城県つくば市にあります。輪島市の「水守」は「ミズモリ」とは1音だけ違います。

第4問
佐賀県伊万里いまり南波多町みなみはたちょう地区にある「水留」は何と読みますか?
〈水留〉は伊万里市中心街北方の丘陵地に位置します。板治いたじ川などを合わせる徳須恵とくすえ川が蛇行しながら北流し、深い谷を刻んでいます。
ヒント! おいしいものを食べたときに、舌で打ったり、鳴らしたりするものと一緒です。

第5問
今までは「水」の字が付く地名でした。そこで、次からの2問は「油」の字が付く地名を取り上げます。
茨城県常陸大宮ひたちおおみや市にある「油河内」は何と読みますか?
〈油河内〉地区は那珂なか川水系に属する「油河内」川の流域山間を占めています。すぐ西は栃木県茂木もてぎ町。
ヒント! 「油」の読みは「ユ」。河内を何と読むかが問題。

第6問
岐阜県八百津やおつ町の「油皆洞」は何と読みますか?
〈油皆洞〉地区は八百津中心街の東方、木曾川に臨む山の緩斜面に開けた地です。
ヒント! 漢字1字ずつを普通に音で読めばユ・カイ・ドウ。でも、濁るところが少しだけ違っています。

 

木曾川に臨む油皆洞地区。近くには八百津出身の外交官杉原千畝の記念館もある

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