日本歴史地名大系ジャーナル 知識の泉へ
日本全国のおもしろ地名、話題の地名、ニュースに取り上げられた地名などをご紹介。
地名の由来、歴史、風土に至るまで、JK版「日本歴史地名大系」を駆使して解説します。
さらに、その地名の場所をGoogleマップを使って探索してみましょう。

第24回 難読地名~草木編(4)

2009年01月23日

草木編の第4回。今回はテーマを決めず、植物に関係する漢字を使った難読地名をアトランダムに取り上げます。

(問題文をクリックすると答えがご覧いただけます)
第1問
福井県大野(おおの)市にある「米俵」はなんと読みますか?
〈米俵〉地区は江戸時代には米俵村といい、九頭竜(くずりゅう)川の支流伊勢(いせ)川中流域の谷間にありました。
 発音は〈コメダワラ〉に近いのですが、微妙に違います。天正17年(1589)の作職売券(野村家文書)には「とめとろ村」とみえます(JK版「日本歴史地名大系」)。
第2問
兵庫県三田(さんだ)市の「木器」はなんと読みますか?
〈木器〉は三田市の南東部、大船(おおふね)山連峰と羽束(はつか)山に囲まれた高平(たかひら)谷の入口部に位置し、交通の要衝として早くから開けた地でした。
 木器は一般には「ボクキ」と発音し、木製の「うつわ」をいいますが、慶長10年(1605)の摂津国絵図(慶長国絵図)には「コツキ村」とみえます(JK版「日本歴史地名大系」)。
第3問
大阪府八尾(やお)市の「竹渕」はなんと読みますか?
〈竹渕〉は八尾市の西部、大阪市平野(ひらの)区との境に位置します。
 古代の河内国渋川(しぶかわ)郡「竹渕(タカフチ)郷」の郷名を伝えていると推定されます。正倉院文書の勘籍には「河内国渋川郡竹渕郷戸主(以下略)」とみえます。
第4問
静岡県静岡市(あおい)区にある「建穂」はなんと読みますか?
〈建穂〉は安倍(あべ)川と藁科(わらしな)川の合流点北方を占め、地内には『延喜式』神名帳にみえる安倍郡「建穂神社」にあたるとされる建穂神社や、7世紀建立との寺伝を残す「建穂寺」の寺跡もあります(JK版「日本歴史地名大系」)。
 『修訂駿河国新風土記』によれば、建穂の地名由来は、日本武尊(やまとたけるのみこと)の供の建部なる人物らが庵を結んだ故をもって、略して「タケイホ」と称したといいますが、「タケルベ」の「イオリ(イホリ)」で「タケイホ」というのは、いささか牽強付会の観があります。
第5問
福岡県宗像(むなかた)市にある「大穂」「大穂町」はなんと読みますか?
〈大穂・大穂町〉は宗像市の南西部、(つり)川支流高瀬(たかせ)川の上流域に位置します。
 穂の字音は普通〈ホ〉ですが、同じく〈ホ〉の字音をもつ歩・補などには別の慣用の音読みもあります。
第6問
広島県広島市安佐北(あさきた)可部町(かべちょう)地区にある〈桐原〉はなんと読みますか?
〈桐原〉は、広島市の北部に位置し、太田川水系に属する根谷(ねのたに)川の支流桐原川の中・上流域を占めます。
 〈桐原〉を音で読むと?
静岡市葵区の建穂地区。地図に「建穂寺」とみえるのは、旧建穂寺の観音堂。

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