草木編の第3回。今回はクサカンムリが付く漢字を使った難読地名を取り上げます。
苧の字音はチョ、訓はカラムシ。カラムシはイラクサ科の多年草で、茎の繊維から織物をつくります。日本では麻や苧の繊維をより合わせてつくった糸を「お」といい、「お」に苧の字をあてることもあります。
「木葉下」の読みは、キノハシタ、キノハゲ、コノハシタ、コノハゲ、コバシタ、コバゲ、コッパシタ、コッパゲのうちでは「コッパゲ」が一番近いでしょうか。次からは「葛」の字がつく地名です。
「葛」はマメ科のつる性多年草植物。字訓はクズ、カズラです。植物の「葛」を東日本ではクズ、西日本ではカズラとよぶ傾向があります。
東日本でも岩手・秋田・山形・福島・長野などでは「葛」を方言で「クゾ」といいました。ちなみに津軽弁では「クジョ」です(日国オンライン)。
「草連」「沢連」「双連」「草嶺」「曽礼」「反」「其」などと記してソーレ、ソレと読む地名は中部日本西部に多くみられ、焼畑に由来。また「ゾレ」は中央日本では崖がくずれたところをよぶ地名です(『地名の語源』角川小辞典13)。
茨城の隣県、栃木県