日本歴史地名大系ジャーナル 知識の泉へ
日本全国のおもしろ地名、話題の地名、ニュースに取り上げられた地名などをご紹介。
地名の由来、歴史、風土に至るまで、JK版「日本歴史地名大系」を駆使して解説します。
さらに、その地名の場所をGoogleマップを使って探索してみましょう。

第8回 あなたもチャレンジ! 難読地名~虫類編(2)

2007年10月05日

虫類編の第2回は爬虫類シリーズ。まずは鰐(ワニ)です。ただし、日本および日本近海に爬虫類の鰐は生息していませんので、古くは鰐と記して(「ワニ」と訓じますが)、サメ・フカ類のことをいいました。そういった意味で「鰐」は爬虫類シリーズにふさわしいとはいえませんが、今回は不問とします。

(問題文をクリックすると答えがご覧いただけます)

シロシタガレイ(城下鰈)で有名な大分県日出町(ヒジマチ)の北部、藤原(フジワラ)地区にあります。直弧文を施した鹿角製装具付の刀子が出土したことで知られます。

次は「亀」の字の付く地名です。亀は鶴とともに古くから長寿をあらわす縁起のよい動物とされ、「亀」の字を用いた地名も数多くみられます。ちなみにJK版日本歴史地名大系のキーワード検索(見出し・部分一致)で「亀」の字を調べると324件ヒットします。

現在の郡上市(グジョウシ)の南西部にあった江戸時代の村で、長良川(ナガラガワ)水系に属する亀尾島川の流域を占めていました。明治八年に周辺の諸村と合併して相生村(アイオイムラ)となり、現在は郡上市相生のうちです。

現在の千葉市中央区の南西端部にあった江戸時代の村。正式には千葉郡南生実村(ミナミオユミムラ)のうちでしたが、独立した一村として扱われることも多かったとされます。

高松市の北西端部を占める町名。北東は瀬戸内海に面し、沖合に浮かぶ大槌島(オオヅチシマ)・小槌島(コヅチシマ)も亀水町内です(ただし、大槌島の北半は岡山県玉野市に属します)。地内を亀水川が流れています。

次は「蛇」の字の付く地名です。蛇はあまり好かれる動物ではありませんので、「蛇」の字は地名にもそれほど多く用いられていません。JK版日本歴史地名大系のキーワード検索(見出し・部分一致)で「蛇」の字は64件ヒットしますが、「亀」の字の324件と比べると、かなり低い数字です。ただし、難読地名は「亀」の字より「蛇」の字を含む地名のほうが多いかもしれません。

富岡市の南西部、利根川水系烏川(カラスガワ)の支流鏑川(カブラガワ)の左岸にあります。地内には高崎(タカサキ)と下仁田(シモニタ)とを結ぶ、上信電鉄(ジョウシンデンテツ)の南蛇井駅があります。

東大阪市の西端部に位置した江戸時代の村で、長瀬川(ナガセガワ)の左岸一帯に展開していました。古く南蛇草村と北蛇草村は一村で、蛇草村と称したといいます。現在はバス停留所名として西蛇草・北蛇草があります。

鳥取県の西部を流れる川。大山(ダイセン)の東壁一帯を水源として北東方に向かい、次第に流路を北に転じて琴浦町(コトウラチョウ)の東部で日本海に注ぐ一級河川です。

御所市(ゴセシ)中心部の南方に位置し、葛城川の右岸を占めます。

現在の花巻市(ハナマキシ)のほぼ中央部、北上川(キタカミガワ)の左岸に位置します。かつては稗貫郡(ヒエヌキグン)石鳥谷町(イシドリヤチョウ)八重畑(ヤエハタ)地区のうちでした。蛇蜒蛆は、それぞれ1字では、蛇はヘビ、蜒はゲジゲジ、ナメクジ、カタツムリの類、蛆はウジをあらわします。すごい地名ですね。地内の蛇蜒蛆遺跡からは、11世紀のものとされる土器が多数出土しました。奥州藤原氏が平泉(ヒライズミ)で栄華を誇る以前、安倍氏の活躍した時代の遺物であり、同氏に関わる土器として注目を集めています。

蛇穴
蛇穴村

蛇穴は葛城川の右岸を占める

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