日本歴史地名大系ジャーナル 知識の泉へ
日本全国のおもしろ地名、話題の地名、ニュースに取り上げられた地名などをご紹介。
地名の由来、歴史、風土に至るまで、JK版「日本歴史地名大系」を駆使して解説します。
さらに、その地名の場所をGoogleマップを使って探索してみましょう。

第6回 あなたもチャレンジ! 難読地名~鳥獣編(4)

2007年07月20日

今回は前回お約束したとおり、トリ偏の字がつく難読地名です。トリ偏の字には、読みが難しいものが数多くあります。たとえば、「鵤」はアトリ科の鳥イカルを表す漢字(国字)で、イカル、あるいはイカルガの読みがあります。JK版日本歴史地名大系の検索機能を利用して「鵤」の字の見出し検索(部分一致)をすると、鵤木村(栃木県:足利市)、鵤村(三重県:四日市市)、鵤庄(兵庫県:太子町)、鵤村(同前)、鵤王子跡(和歌山県:印南町)の5件がヒットします。ただし、読みはそれぞれイカルギムラ(鵤木村)、イカルガムラ(鵤村:四日市市)、イカルガノショウ(鵤庄)、イカルガムラ(鵤村:太子町)、イカルガオウジアト(鵤王子跡)で、「鵤」の読みはいずれもイカル、あるいはイカルガです。同様に「鵯」(ヒヨドリ)の字で見出し検索(部分一致)をすると、鵯島村(富山県:富山市)、鵯尾城跡(鳥取県:鳥取市)、畑鵯村(島根県:大東町=現雲南市)の3件がヒット。読みはそれぞれヒヨドリジマムラ(鵯島村)、ヒヨドリオジョウアト(鵯尾城跡)、ハタヒヨドリムラ(畑鵯村)で、「鵯」の読みはすべてヒヨドリです。これらの地名は、難読地名というより、難しい漢字(国字)を含む地名といったほうがよいでしょうか。前置きはこれくらいとして、まずは初級編です。

(問題文をクリックすると答えがご覧いただけます)

徳島県那賀郡にあった自治体名。「鷲敷町」は平成17年(2005)に周辺の相生町(アイオイチョウ)・上那賀町(カミナカチョウ)・木沢村(キサワソン)・木頭村(キトウソン)と合併して那賀郡那賀町(ナカチョウ)となりました。「鷲敷」は古くは「和食」と記しました。

「烏森」と記して「カラスモリ」と読む地名は広く全国に分布しており、東京都港区の烏森はJR新橋(シンバシ)駅烏森口(カラスモリグチ)や烏森神社(カラスモリジンジャ)で知られています。問題になっている名古屋市中村区の「烏森」は、「カラス」の読みの1字分が欠けています。

「鶯」の字を「ウグイス」と読む地名は広く全国に分布しており、東京都台東区(タイトウク)の鶯谷(ウグイスダニ)は有名。天龍村(テンリュウムラ)の「鶯巣」は「ウグイス」の読みの1字分が欠けています。長野県の南部、天竜川沿いの谷間にあり、地内にJR飯田線(イイダセン)の「鴬巣駅」があります。

「鳩原」と書いて「ハトバラ」「ハトノハラ」などと読む地名は多くあり、宮城県角田市(カクダシ)に鳩原(ハトバラ)、大阪府河内長野市(カワチナガノシ)に鳩原(ハトノハラ)の地名があります。南相馬市(ミナミソウマシ)の鳩原は少しだけ読みが違います。

次は中級編です。

釜石市(カマイシシ)の東部、「鵜住居川」の河口部に展開し、東は大槌湾(オオツチワン)に面しています。地内をJR山田線が縦貫し、「鵜住居駅」があります。

香川県の東部、「鴨部川」の中・上流域を占めます。平成14年(2002)4月にさぬき市が誕生する以前は大川郡志度町(シドチョウ)に属していました。

今治(イマバリ)市街の南西方に位置します。蒼社川(ソウジャガワ)の右岸を占め、同川支流の谷山川(タニヤマガワ)の流域に展開します。平成17年(2005)に今治市と合併する以前は越智郡(オチグン)玉川町(タマガワチョウ)に属していました。

最後に上級編です。

向日市(ムコウシ)の中央部、向日丘陵東側の台地から桂川(カツラガワ)の氾濫原に位置します。古代には地内に長岡(ナガオカ)宮の大極殿(ダイゴクデン)・八省院(ハッショウイン)・内裏(ダイリ)が所在していました。

鶏冠井村
鶏冠井村

桂川の氾濫原に位置する向日市鶏冠井町

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