日本歴史地名大系ジャーナル 知識の泉へ
日本全国のおもしろ地名、話題の地名、ニュースに取り上げられた地名などをご紹介。
地名の由来、歴史、風土に至るまで、JK版「日本歴史地名大系」を駆使して解説します。
さらに、その地名の場所をGoogleマップを使って探索してみましょう。

第34回 難読地名~鉱物編(4)

2009年12月11日

今回は「塩」の字を使った地名です。塩は訓はシオ、音ではエン。地名でも塩の字はシオ、またはエンと読まれることが多いのですが、隣接する字が難読であったり、組み合わせで難読となることもたくさんあります。では、さっそく始めましょう。

(問題文をクリックすると答えがご覧いただけます)

第1問
秋田県能代のしろ市の「塩干田」は何と読むでしょう?
〈塩干田〉地区は、能代市街の南方、能代平野中心部の平坦地に位置しています。
ヒント! 「塩」の字の読みは〈シオ〉です。「干田」を何と読むかが問題。ヒントはズバリ「酒の肴」? です。

第2問
愛媛県伊方いかた町の「塩成」は何と読みますか?
〈塩成〉地区は、四国の西端から九州に向かって突き出た佐田岬さだみさき半島のちょうど中ほどにあります。佐田岬半島は、北を伊予灘、南を宇和海に挟まれた細長い半島。宇和海に面する塩成浦から北に向かい、塩成峠を越えると、伊予灘に面する高浦たかうらに出ます。
ヒント! 「塩」の字の読みは、前問と同じく〈シオ〉です。「成」の字を何と読むかが問題。

第3問
大阪府堺市西区家原寺町えばらじちょうにある寺院「塩穴寺」は何と読みますか?
〈塩穴寺〉は行基の草創と伝える古刹。古くは常楽寺とも称し、塩穴寺の寺名は草創の地が古代の和泉国大鳥おおとり塩穴しおあな郷下条であったことに由来します。
ヒント!塩穴寺を普通に読めば〈シオアナジ〉です。寺名の由来となった塩穴郷の読みも〈シオアナゴウ〉。時代が下って、どこかで1音が欠けてしまいました。

第4問
兵庫県宝塚たからづか市にある寺院「塩尾寺」は何と読みますか?
〈塩尾寺〉は宝塚市の南西部、六甲山地ろっこうさんち東端部にあたる伊孑志いそし地区にあります。おや、所在地の「伊孑志」も難読地名といえますね。
ヒント! 「塩」の読みは〈エン〉です。「寺」は〈ジ〉です。「尾」の字を何と読むかが問題です。

第5問
今までは「塩」の字が頭に付く地名でした。そこで、次からの2問は「塩」の字が後ろに付く地名を取り上げました。
福島県会津若松あいづわかまつ大戸町おおとまち上三寄かみみより地区の「香塩」は何と読みますか?
〈香塩〉地区は阿賀あが川(大川)東岸の山間に位置します。川沿いに会津鉄道が走り、地内には芦ノ牧温泉あしのまきおんせん駅が設けられています。もっとも、芦ノ牧温泉は、阿賀川の対岸、南西方に少し離れた大戸町芦牧あしのまき地区にあります。
ヒント! 「香」の字の読みは〈カ〉、古くは「加塩」とも記しました(JK版「日本歴史地名大系」)。ズバリ、「塩」を何と読むかが問題です。

第6問
最後も前問と同じく福島県の地名です。
福島県いわき市三和町みわまち地区にある「差塩」は何と読みますか?
〈差塩〉地区はいわき市街の北西方に位置。夏井なつい川支流、小玉川の源流部にあたり、阿武隈あぶくま高地の一画を占めています。地区内に磐越ばんえつ自動車道の「差塩」パーキングエリアが設けられています。
ヒント! 差塩は「指塩」とも記しますが、新潟県糸魚川いといがわ市には「指塩」と書いて〈サシオ〉と読む地区があります。いわき市の「差塩」は糸魚川市の「指塩」の読みと似ているといえば似ている、似ていないといえば似てない?

 

いわき市の差塩地区。差塩湿原は写真のさらに上方(北方)に位置します。

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